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Kind of Blue

2010 年 11 月 14 日
トランペット奮闘日記


そろそろ、マイルスのあの偉業について自分なりに書いてみたいと思います。

マイルス・デイヴィスの「Kind of Blue」というアルバム、ご存知の方も多いかと思います。1959年に発表された録音。

このアルバムは発表された当時、全世界のミュージシャン達に衝撃をあたえ、そして現在でもマスターピースと賞賛されています。

何が凄いかと言うと、いわゆる”モード(教会旋法)”という発想を使って即興演奏がされていること。

1940年代以降、ジャズの演奏スタイルは派手な即興演奏を見せ場としていた”ビー・バップ(BeBap)”
が主流の時代。若き頃、マイルスもチャーリー・パーカーのバンドに入り”ビバップ”で腕を磨いていった。

(”BeBap”は日本人的に”ビー・バップ”より”ビバップ”の方が言いやすいので当サイトではこう呼ばせてもらいます)

しかし、どんどんアップテンポで複雑になってく傾向のあったこの演奏スタイルに限界を感じていったのでしょう。このまま続けていったら自身が壊れてしまう恐怖もあったのかも知れません。

(晩年のバードは・・・T T(晩年と言っても今の私より若いのですが・・・))

そこで、”複雑で難解なフレーズ”ではなく”シンプルで洗練されたフレーズ”を演奏する方法を確立するべく模索し始めていったのです。

ビバップを洗練された音で演奏するクール・ジャズ。ビバップをよりメロディー重視にしたハード・バップ。そして、あのモード・ジャズへとたどり着く。

それまでの即興演奏ではフレーズはコード・トーン(トライアドとテンション・ノート)に基づいて考え出されるのが当たり前でした。

しかし、この”モード奏法”というのは簡単に言えば、
「スケールを奏でることでコード(和音)と同じような音空間を作り出すことができる」といえるもの。

(さらに解釈を広げると、使うスケール次第でコードの機能すらも変化させることができるといえるもの。)

この「Kind of Blue」を録音する際、「その音だけ使って演奏してくれ」とマイルスがバンドメンバーに渡した楽譜にはコードもなくところどころにただ7つの音符が書いてあるだけだったそうです。

例えば、このアルバムの一曲目の”So What”という曲では始めの16小節は「レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」、次の8小節は「♭ミ・ファ・♭ソ・♭ラ・♭シ・ド・♭レ」、次の8小節は「レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」という具合に。

(あえてコードをつければDm7とE♭m7でそれぞれ
”Dドリアン・スケール”、”E♭ドリアン・スケール”で演奏していると解釈できます。この曲は音楽理論的には、たった1つのコードだけで演奏されていることになります。)

「スケールで音空間を作り出す」、この発想のおかげでそれまでコード・トーンに縛られていたジャズのみにあらず、あらゆるジャンルのミュージシャンが開放され楽になったのです。

一人のトランペッターが世界の多くのミュージシャン達に大きな影響を与えたのでした。凄いことですよね!

私は大学生の頃、ギターでアドリブをする方法を模索しているときにこの”モード奏法”を知りました。そのときは本当に世界が広がったというか解き放たれた感覚がありました。

マイルスはホントに偉大なトランペッターですな!

マイルスのことはまだまだ書きたいことがありますがまたいつかの機会に。



「Kind of Blue」
もちろん、私も持っていますよ!

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テーマ: 楽器 ジャンル: 音楽

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